収益マンション用地購入指標 1種計算


 分譲マンション業者・収益マンション1棟売り業者が土地の仕入れの際に使う指標として1種計算
 というのがあります。

 彼らは土地が売りに出ると必ず1種いくらという計算をします。
 マンション業界以外の方や一般の仲介業者ではなじみのない言葉ですが、知っていて損はしない
 と思いますので解説します。
 
 仮に下記(※事例資料1)のような土地が売りに出たと想定してください。

 この土地が収益マンションを建てて採算にのるかどうかを判定の目安とするのが1種計算です。
 言い方を変えれば1種単価というのはマンションを建てる側が期待利回りから見て適正な土地価格
 を判定する物差しなのです。 

 前面道路の幅員・斜線制限・指定容積率を考慮して建築可能な延床面積を算定し、
 延べ床面積坪当たりの土地コストを1種単価と言います。

 ※事例資料1
 売り土地(大阪市内)
 
 土地面積:100坪   土地単価:100万/坪   土地総額:1億円

 用途地域:商業地域   建ぺい率:80% 容積率:500%

 前面道路幅員:W=6.65M  

 Q1.この土地から年間に得られる収益利回りはいくらになるか?
 Q2.この土地投資で建築する建物から得られる期待利回りを総投資額
    に対して8%とすると1種単価いくらで購入すれば良いか?

 
 上記土地の建築可能な延床面積は大阪市内では道路幅員による容積率からみて
 商業地域ですので、道路幅員×6/10×100≒400%となります。
 
 指定容積率は500%ですが、道路幅員による容積率の400%の方が小さいので、値の
 小さい400%が適用され基準容積率は400%となります。
 
 つまり土地が100坪ですので、400坪の延床面積の建物が建築可能と
 なり、1坪当たりの土地上に4坪の建物が建つ計算となります。。
 
 そうすると延床面積1坪当たりの土地コストは、この土地の坪単価は100万ですので
 100万÷4坪=25万/坪となるわけです。
 
 次に建物の建築コストが坪当たり50万とすると延床面積1坪当たりの投資コストは
 土地コスト+建物コスト=75万/坪となります。
 (今回の説明では、とりあえず便宜的に諸経費は考慮していませんので了承ください)

 
 次にこの土地の近辺の賃料水準を調べますと、貸室延床面積1坪当たり5000円
 であることが分かりました。つまり貸室延床面積1坪当たりの年間賃料は
 0.5万×12ヶ月=6万/坪となります。

 そしてこの土地に建てられるプランを設計事務所に依頼して検証しますと
 レンタブル比が80%のプランが入ることが分かりました。

 

 
 この土地から得られる建物延床面積1坪当たりの収益利回りは下記の計算式で算出
 されることになります。下記の『/坪』は全て貸室1坪当たりのことを指します。
 
 年間利回り=貸室年間賃料/坪÷貸室総投資コスト/坪
        =(0.5万×12ヶ月)÷750000÷0.8=0.064
         つまり6.4%の収益率となります。         
         上記の0.8はレンタブル比である。
 
 最後にこの土地投資で建築するマンションから得られる期待利回りを8%とした場合
 この土地を1種単価いくらで取得すれば可能か?(1種単価をαとする)

 計算式は下記のようになる。
 
 期待利回り=0.08=0.5万×12ヶ月÷(α+50万)÷0.8
 (α+50万)÷0.8=0.5万×12ヶ月÷0.08
 (α+50万)=0.5万×12ヶ月÷0.08×0.8
  α10万
 
 適正1種単価=年間貸室賃料/坪÷期待利回り×レンタブル比-建築コスト/坪