日本の住宅の寿命とスケルトン&インフィル住宅

 住宅の平均寿命は、イギリスの75年、アメリカの44年と比べ、日本は約26年と言われています。
 この26年という数字は「家自体が使用できなくなる」寿命ではなく、「現実に家が何年で壊されている
 のか」を示す実際の数字です。理由は色々ありますが、その背景には、住い手と家が合わなくなる、
 住い手の生活が変化してそれに家がマッチしなくなるために、まだ使えるにもかかわらず取り壊され
 てしまうというものがあります。このことから、日本の家屋の寿命を長くするには単に物理的な寿命
 だけでなく、住い手の生活の変化にも対応できるような住宅を建てることが必要でしょう。
 今の多くの建物は市場のニーズの変化に合わせた将来のリフォームが容易にできないものが多い
 ことは問題です。
 また欧米のように古い住宅に価値が生じるような良質な中古住宅市場形成(取り壊すのではなく、
 売却して別の生活にあった住宅を取得する)が重要だと思います。
 生活の変化に対応した住宅作りを志向するものとしてスケルトン&インフィルがあります。
 これからの家作りにどんどん取り入れていく必要性を感じます。特に私のビジネスの基盤となって
 いる大阪市内の賃貸中古マンションには建築主が短期的な利潤を追求して、将来を見据えなか
 った為に検査済証(建物が建築基準法上、適合しているという役所の証明書)の無いものが目立ち
 ます。法的に建築基準法上、建築できる面積を大きくオーバーしているものや、建築コストを節約し
 過ぎて、時代の流れの中で市場ニーズに合わなくなってきているものが多いようです。
 違反建築物については姉歯事件以降、市場価値にも懸念が生じつつありますので、今後は建築主
 ・請負業者共将来を見据えて良質の住宅作りをしなければならない必要性が高まってくるものと思わ
 れます。住宅の寿命を長くする為には、違反の無いことは当然であり、将来、容易にリフォームが
 できるという建築と良質な中古市場形成(多くの良質な建築物が供給されるマーケットは必然的に
 良質な市場になっていきます)が必須であると思います。そのためには、住宅市場に携わる建築主・
 請負業者・仲介業者の意識の変革が必要ではないでしょうか。
 
 スケルトン&インフィル住宅
 建物のスケルトン(柱・梁・床等の構造躯体)とインフィル(住戸内の内装・設備等)とを分離した工法
 による分譲マンションなどの集合住宅。設備や間取りなど、内側は将来的な変更が容易にできる
 ため、入居時にも入居後もライフスタイルなどに併せて変更することができる利点がある。